立正安国論
『 立正安国論 』
日蓮
1260
鎌倉仏教経典

名著の概要

ジャンル

[ "宗教学", "東洋宗教学", "鎌倉仏教", "仏教", "その他仏教" ]

テーマ

日蓮宗 法華経(妙法蓮華経) 宗教政策について

概要

得宗(元執権)北条時頼に提出した文書。日蓮は、相次ぐ災害の原因は人々が浄土宗などの邪法を信じていることにあるとして対立宗派を非難し、正法である法華経を中心とすれば(「立正」)国家も国民も安泰となる(「安国」)と主張した。

目次

内容

大規模な災害や飢饉が生じている原因は為政者を含めて人々が正法に違背して悪法に帰依しているところにある。その故に国土を守る諸天善神が国を去ってその代わりに悪鬼が国に入っているために災難が生ずる(これを「神天上の法門」という)。 そこで日蓮は、災難を止めるためには為政者が悪法の帰依を停止して正法に帰依することが必要であると主張する。さらに日蓮は、このまま悪法への帰依を続けたならば、自界叛逆難(内乱)と他国侵逼難(他国からの侵略)が生ずると予言し、警告した。 「立正安国論」で日蓮は、とりわけ法然の専修念仏を批判の対象に取り上げる。それは、貴族階級から民衆レベルまで広がりつつあった専修念仏を抑止することが自身の仏法弘通にとって不可欠と判断されたためである。この時期に作成された「守護国家論」「念仏者追放宣旨事」などでも徹底した念仏批判が展開されている。 なお、日蓮宗は、日蓮が説いた本尊・題目・戒壇を三大秘法として、諸経の王と位置付けられる経典、妙法蓮華経(法華経)を釈迦の本懐にして最高無上としている。題目(南無妙法蓮華経)を唱えること(唱題)を重視している。
日蓮
日蓮
日本

著者の概要

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著者紹介

鎌倉時代の仏教の僧。 鎌倉での宗教活動を理由に、得宗北条時宗によって佐渡に流罪にされる。流罪を赦免後、胃腸系の病により入滅。 鎌倉仏教のひとつである日蓮宗(法華宗)の宗祖。