
『 管理される心 』
1983
西洋現代社会学
名著の概要
ジャンル
[
"社会学",
"西洋社会学",
"西洋現代社会学"
]
テーマ
感情労働
概要
感情労働という概念を広めた名著。感情を管理され自分でコントロールしようとするほど、「自然な感情」に価値が産まれる。感情労働の時代だからこそ「いったい自分は本当は何を感じているのか?」という感情探しが恒常化するとした。
目次
内容
他者への気配りと配慮を旨とする労働を「感情労働」と呼ぶ。
かつては「肉体」労働が一般的だったが、サービス産業の拡大によっていまや「感情」労働が一般的になっている。
肉体労働や頭脳労働において、仕事が標準化され単純化されることによって意思決定が企業の上層部に集中独占化されることが指摘されてきたが、同じことが感情労働にも起こっている。企業の上位層によって感情規則や感情管理のマニュアルが作成され指令されるから、労働者個人が感情労働を自分自身で制御できなくなっている。
大人は子供を小さな感情労働者として躾けるようになる。癇癪を起こしてカーペットにインクをこぼした子どもは、カーペットを駄目にしたことよりも癇癪によってそうしてしまったことを咎められる。行動よりも感情へのサンクションが行使されるのである。
そして、感情を管理され自分でコントロールしようとするほど、「自然な感情」に価値が産まれる。感情労働の時代だからこそ「いったい自分は本当は何を感じているのか?」という感情探しが恒常化する。

アーリー・ホックシールド
アメリカ
著者の概要
ジャンル
[
"社会学",
"西洋社会学",
"西洋現代社会学"
]
著者紹介
アメリカの社会学者。「感情労働」の概念を広めた。
感情労働とは、感情の抑制や鈍麻(どんま)、緊張、忍耐などを不可欠の職務要素とする労働を指す。体力を使って対価を得る「肉体労働」やアイデアなどを提供する「頭脳労働」に対して、感情労働に従事する者はつねに自分自身の感情をコントロールし、相手に合わせた言葉や態度で応対することが求められるとする。