『 精神と物質 』
1958
物理学
名著の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"物理学"
]
テーマ
意識とは何か
概要
意識はどのような働きをしているのか。人間には生物学的な意味での進化はありうるのか。科学は人間の宗教的問題に対し、どのような解答をあたえうるのか。現代物理学の泰斗が、最も古くかつ新しい疑問を考察した書。
目次
内容
第一章 意識の物理学的な基盤
脳と脳が描きだす世界についての問題/倫理の自然科学的理解
第二章 知力の未来
生物学的意味での袋小路か?/ダーウィンの進化論に見られる明らかな陰り
第三章 客観化の原理
ユングとシェリントンの説/人格は個体の内部に見い出しうるのか?
第四章 算術上の矛盾——精神の単一性
多元の意識的自我と一つの世界/世界のすべてが演じられる舞台としての精神
第五章 科学と宗教
時間の概念/プラトン/カント/アインシュタイン
第六章 感覚的性質の不思議
人間の感覚/観察された事実と科学的理論
解説 シュレーディンガーの思想
統一への道/合理主義か神秘主義か
本書では以下のように述ベている。
「西洋科学の構造に東洋の同一化の教理を同化させることによって解き明かされるだろう。一切の精神は一つだと言うべきでしょう。私はあえて、それは不滅だと言いたいのです。私は西洋の言葉でこれを表現するのは適さないということを認めるものです。」
「宗教は科学に対抗するものなのではなく、むしろ宗教は、これとかかわりのない科学的な研究のもたらしたものによって支持されもするものなのであります。神は時空間のどこにも見出せない。これは誠実な自然主義者の言っていることであります。」
「西洋科学へは東洋思想の輸血を必要としている。」
シュレーディンガー
オーストリア
著者の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"物理学",
"生物学"
]
著者紹介
オーストリア出身の理論物理学者。
1926年に波動形式の量子力学である「波動力学」を提唱。次いで量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式や、1935年にはシュレーディンガーの猫を提唱するなど、量子力学の発展を築き上げたことで名高い。
生涯ヒンドゥー教のヴェーダーンタ哲学に興味を有した(若き日にショーペンハウアーを読み耽った影響)。