『 純粋理性批判 』
1781
西洋近代哲学
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学"
]
テーマ
認識について
理性について
感性と悟性について
概要
人間理性の抱える諸問題についての古典的名著であり、ライプニッツなどの存在論的形而上学と、ヒュームの認識論的懐疑論の両方を継承し、かつ批判的に乗り越えた、西洋哲学史上最も重要な書物のひとつ。
目次
先験的(超越論的)原理論
先験的(超越論的)感性論
空間について
時間について
先験的(超越論的)論理学
先験的(超越論的)分析論
概念の分析論
原則の分析論
先験的(超越論的)弁証論
純粋理性の概念について
純粋理性の弁証的推理について
純粋理性の誤謬推理について
純粋理性のアンチノミー(二律背反)
純粋理性の理想
先験的(超越論的)方法論
純粋理性の訓練
純粋理性の基準
純粋理性の建築術
純粋理性の歴史
内容
『純粋理性批判』は、理性認識の能力とその適用の妥当性を、「理性の法廷」において理性自身が審理し批判する構造を持っている。したがって、それは、哲学(形而上学)に先立ち、理性の妥当な使用の範囲を定める哲学の予備学であるとカントは言う。
カントは、理性が関連する原則の起源を、経験に先立つアプリオリな認識として、経験に基づかずに成立し、かつ経験のアプリオリな制約である超越論的 な認識形式に求め、それによって認識理性 の原理を明らかにすることに努める。 すなわち「認識する」とされる理性そのものは、理性からは認識できる範囲外にあることを原点とした「コペルニクス的転回」を見せたのである。
本書の主題は、「人間の認識が必ず感性と悟性によって媒介されており、経験的認識において理性は直接的に作用しないという、理性の限界が確定される」というもの。
イマヌエル・カント
ドイツ
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学",
"宗教学",
"西洋宗教学",
"宗教論"
]
著者紹介
プロイセン王国(ドイツ)の哲学者。『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三批判書を発表し批判哲学を提唱した。フィヒテ、シェリング、そしてヘーゲルへと続くドイツ古典主義哲学(ドイツ観念論哲学)の祖とされる。彼が定めた超越論哲学の枠組みは、以後の西洋哲学全体に強い影響を及ぼしている。
「批判 」とは、理性・悟性・感性・判断力からなる人間の認識能力の限界と能力を確定し、それぞれに相応しい役割を規定する企てである。
『純粋理性批判』では人間の認識が必ず感性と悟性によって媒介されており、経験的認識において理性は直接的に作用しないという、理性の限界が確定される。
『実践理性批判』では、経験的認識において能力が限界づけられた当の理性が人間の道徳性の根幹をなす能力を持ち、そこにこそ理性の可能性が秘められているということが明らかにされる。
『判断力批判』では経験(現象界)と理念(叡智界)を媒介する能力として判断力が研究され、第一部では美学目的論が、第二部では自然目的論が展開される。