経済分析の基礎
『 経済分析の基礎 』
ポール・サミュエルソン
1947
新古典派

名著の概要

ジャンル

[ "経済学", "西洋経済学", "西洋近代経済学", "新古典派" ]

テーマ

経済分析の基礎

概要

経済学における20世紀で最も偉大な学者の一人。経済学の諸問題を制約条件付き最大化問題として定式化・一般化し,経済問題を数学を用いて解くという手法を定着させた。

目次

内容

経済学の諸問題を制約条件付き最大化問題として定式化・一般化し,経済問題を数学を用いて解くという手法を定着させた。 経済理論は観察不可能な概念によって構成されていても,経済学における命題は検証可能な「意味のある定理」として導出しなければならないという論理実証主義的な考え方に基づく。 顕示選好の理論により消費者理論の合理性を指摘。 厚生経済学においてバーグソン=サミュエルソン流の社会的厚生関数を導入。 一般均衡体系における動学的安定条件を定式化。 比較静学の分析を通して IS-LM分析を普及、対応原理により比較静学分析における比較静学の命題と動学的安定条件の密接な関係を指した。
ポール・サミュエルソン
ポール・サミュエルソン
アメリカ

著者の概要

ジャンル

[ "経済学", "西洋経済学", "西洋近代経済学", "新古典派", "その他経済学" ]

著者紹介

アメリカの経済学者。経済学における20世紀で最も偉大な学者の一人。 顕示選好の弱公理、ストルパー=サミュエルソンの定理、サミュエルソン=ヒックスの乗数・加速度モデル、バーグソン=サミュエルソン型社会厚生関数、新古典派総合などで知られる。 「消費者行動の純粋理論ノート」において、需要曲線が限界効用理論の助けを借りなくても、市場で観察可能な購入のみに「顕示された」選好から引き出せることを示した(顕示選好理論)。 「乗数分析と加速度原理との相互作用」において、ケインズ主義所得決定理論にロイ・ハロッドの「加速度」理論を応用することによって近代の恐慌問題を理論的に説明した(サミュエルソン=ヒックスの乗数・加速度モデル)。 『経済分析の基礎』は、経済動学に関する現代的関心の発端になった。 「国際貿易と要素価格均等化」では自由貿易を限界まで推し進めるために必要な厳密な条件を数学的に証明し、要素価格等価定理を証明した。国際貿易理論の分野では「ストルパー=サミュエルソンの定理」として知られる。ヘクシャー・オリーンの定理はこれを一般化したものである。 『経済学(Economics: An Introductory Analysis)』において、「不完全雇用時にはケインズ主義的介入を行うべきであるが、ひとたび完全雇用に達すれば新古典派理論がその真価を発揮する」という新古典派総合を主張し、新古典派ミクロ経済学とケインズ主義マクロ経済学の関係性についての見解を示した。なお、本書は経済学の教科書として全世界で一千万部を超えるベストセラーとなっている。 「公共支出の純粋理論」において、公共財を初めて厳密に定義し、公共財の最適供給条件である「サミュエルソン条件」を導出した。