『 経済学原理 』
1848
古典派
名著の概要
ジャンル
[
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋近代経済学",
"古典派"
]
テーマ
経済について
自由経済について
概要
この長大な著作は古典派経済学の代表的な教科書として、マーシャルの「経済学原理」の登場(1890年)まで君臨したと言える。当時の「豊かな先進国」イギリスの社会問題に対して、具体的で実現可能な処方箋を書くことにあった。
目次
内容
ミルはまず優れた統治制度を選択するために三つの基本的条件を提示している。統治の対象となる国民はその統治制度を受容することに同意していなければならず、さらに統治制度を維持するために積極的に行動する意思と手段を持ち、しかも国民は統治制度のために自己抑制しなければならない。
ミルは、生産が自然の法則によって与えられる のに対して分配は社会が人為的に変更可能であることに着目し、政府の再分配機能によって、漸進的な社会改革を行なうことに期待している。その意味では「大きな政府」によるセーフティ・ネットの構築に、激化する階級対立の処方箋を見出したと言える。
経済成長を自明のものとしなかったため、いわゆる「定常型社会」論の先駆と見なされることもある。また、当時の英国に深刻な不安を投げかけていたマルサス『人口論』以来の人口問題については、労働者階級の自発的な出生率の抑制による出生率の制御に期待する、という考え方(新マルサス主義)で臨んでいた。
ジョン・スチュアート・ミル
イギリス
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学",
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋近代経済学",
"古典派",
"政治学",
"西洋政治学",
"西洋近代政治学"
]
著者紹介
イギリスの哲学者。政治哲学者、経済思想家でもあり、政治哲学においては自由主義・リバタリアニズムのみならず社会民主主義の思潮にも多大な影響を与えた。晩年は自ら社会主義者を名乗っている。倫理学においてはベンサムの唱えた功利主義の擁護者として知られる他、論理学分野においてはバートランド・ラッセルら後続の分析哲学にも強い影響を与え、初期科学哲学の重要な哲学者として知られる。