『 経済発展の理論 』
1912
オーストリア学派
名著の概要
ジャンル
[
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋現代経済学",
"オーストリア学派"
]
テーマ
経済発展について
イノベーション
概要
企業者は、創造的破壊を起こし続けなければ、生き残ることができないとし、イノベーションの概念を創始した名著。
目次
内容
方法も対象も未確定であった経済動学の理論を建設するために,まず〈経済静学〉の純粋理論の本質とその限界の吟味から出発した(《理論経済学の本質と主要内容》1908)。
次いで彼は本書において,静学から駆逐された動学的問題群のうち,さしあたり理論的に処理しうるものとして〈企業者利潤,資本,信用,利子および景気の回転〉を取り上げ,発展過程において初めてその本領を発揮するこれらの現象の本質を解明した。
その主題はとしては、古典派が均衡を最適配分として捉えているのに対して、シュンペーターは均衡を沈滞として捉えている。
シュンペーターによれば、市場経済は、イノベーションによって不断に変化している。そして、イノベーションがなければ、市場経済は均衡状態に陥っていき、企業者利潤は消滅し、利子はゼロになる。
これに対して、新しい生産物の生産や異なった手法による生産物の生産を「新結合」と呼び,こうした職能を果すのが企業家の存在が重要だとした。
したがって、企業者は、創造的破壊を起こし続けなければ、生き残ることができない。
シュンペーター
オーストリア
著者の概要
ジャンル
[
"政治学",
"西洋政治学",
"西洋現代政治学",
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋現代経済学",
"オーストリア学派",
"社会学",
"西洋社会学",
"西洋現代社会学"
]
著者紹介
オーストリア・ハンガリー帝国(後のチェコ)モラヴィア生まれの経済学者である。企業者の行う不断のイノベーション(革新)が経済を変動させるという理論を構築した。また、経済成長の創案者でもある。
イノベーションは、シュンペーターの理論の中心概念である。ちなみに、シュンペーターは、初期の著書『経済発展の理論』ではイノベーションではなく「新結合」という言葉を使っている。
イノベーションとして以下の5つの類型を提示した。
新しい財貨の生産
新しい生産方法の導入
新しい販売先の開拓
原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
新しい組織の実現(独占の形成やその打破
イノベーションの実行者を「企業者(entrepreneur)」と呼ぶ。この意味における企業者とは、一定のルーチンをこなすだけの経営管理者(土地や労働を結合する)ではなく、まったく新しい組み合わせで生産要素を結合し、新たなビジネスを創造する者である。