統治しているのはだれか
『 統治しているのはだれか 』
ロバート・ダール
1961
西洋現代政治学

名著の概要

ジャンル

[ "政治学", "西洋政治学", "西洋現代政治学" ]

テーマ

政治について 民主主義について

概要

「ほとんどすべての成人が投票はするが、知識、富、社会的地位、役職への接近および他の資源は不平等にしか配分されていない政治制度にあっては、誰が実際に統治しているのだろうか。」著者がこの、厳粛かつ基本的な問題の解明のため、ニューヘブンを調査した。

目次

内容

ダールは、阿m理科の政治体制は、大衆迎合的な民主主義ではないが、少なくともポリアーキー(つまり多元主義)ではあるとする。本書では、アメリカと類似するニューヘイブンという都市を動かしている(公式的と非公式的を問わない)権力構造を分析することであり、このケーススタディによって自説を立証しようとしたのである。 2年間の予備研究と、さらに2年間の市民面接を始めとする追跡調査に続く資料の集計、分析―慎重にして忍耐強い作業は、やがて当初の目的をかなえて余りある豊富な情報をもたらしたが、かくまで手応えのある調査研究はかつてなかったことであり、将来もめったにないことであろう。候補者指名、都市再開発、公教育などの身近な問題にわれわれはどのようにかかわっているのか。長期間にわたる綿密な追跡調査によって、民主主義の実際を明らかにしようとする。
ロバート・ダール
ロバート・ダール
アメリカ

著者の概要

ジャンル

[ "政治学", "西洋政治学", "西洋現代政治学" ]

著者紹介

アメリカ合衆国の政治学者。 ダールは、アメリカの政治体制は、大衆迎合的な民主主義ではないが、少なくともポリアーキー(つまり多元主義)ではあるとした。 また、『民主主義とその批判』(1989年)ではダールは民主主義概念を再検討している。 近代国家で民主主義の理想を実現した国はない。ダールによれば、その代わり政治的先進国は、「ポリアーキー」の状態にある。ポリアーキーの下では公職従事者は自由で公正な選挙によって選出される。包括的な投票が行われ、公職を求める権利(立候補権)が認められ、表現・報道・結社の自由が保証されている。これらの制度のおかげで、政治権力の中心が複数生じる。 しかし、これは民主主義の基準を満たさない。民主主義に要求される徹底した市民参加や厳重な政策監視を実現している国家は、ダールによれば1つもないの主張する。