罪と罰
『 罪と罰 』
ドストエフスキー
1866
近代ロシア文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "近代文学", "近代ロシア文学" ]

テーマ

罪悪感 傲慢 貧困 愛

概要

20世紀ロシアを代表する大文豪・ドストエフスキーの名作。時代の閉塞状況のなかでくすぶる人間回復への願望を訴えるヒューマニズムの書。 また「魂のリアリズム」とよばれるこの作家独自の方法は、犯罪を媒介にこの小説を人間存在の根本への問いかけとした。

目次

内容

頭脳明晰ではあるが貧しい元大学生ラスコーリニコフが、「一つの微細な罪悪は百の善行に償われる」、「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」という独自の犯罪理論をもとに、金貸しの強欲狡猾な老婆を殺害しする。奪った金で世の中のために善行をしようと企てるも、殺害の現場に偶然居合わせたその妹まで殺害してしまう。 この思いがけぬ殺人に、ラスコーリニコフの罪の意識が増長し、苦悩する。しかし、ラスコーリニコフよりも惨憺たる生活を送る娼婦ソーニャの、家族のためにつくす徹底された自己犠牲の生き方に心をうたれ、最後には自首し、シベリアに送られる。
ドストエフスキー
ドストエフスキー
ロシア

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "近代文学", "近代ロシア文学" ]

著者紹介

ロシアの小説家・思想家。代表作は『罪と罰』、『白痴』、『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』など。レフ・トルストイ、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀後半のロシア小説を代表する文豪。 その著作は、当時広まっていた理性万能主義(社会主義)思想に影響を受けた知識階級(インテリ)の暴力的な革命を否定し、キリスト教、ことに正教に基づく魂の救済を訴えているとされる。実存主義の先駆者と評されることもある。反ユダヤ主義者としても知られる。