『 自然論 』
1836
西洋現代哲学
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学"
]
テーマ
魂について
自然について
人間について
概要
エマーソンは次第に当時の宗教的社会的信念から離れる超越主義哲学(英語版)を世に打ち出した。続いて草分け的な仕事として1837年に'The American Scholar'と題した演説を行い、オリバー・ウェンデル・ホームズ・シニアは、アメリカの「知的独立宣言」であると評した。
目次
内容
『自然論』は、エマソンが提唱した「超絶主義」のエッセンスともいうべき論文。自然の中に神の啓示を見て、それを直感により感応することにより、神との一体化を図り、絶対的な魂の自由を獲得せよと説く。当時「トランセンデンタリズムのバイブル」と呼ばれた
前半では主として自然を,後半では人間の精神を論じ,自然は精神の象徴であり,事物と人間の思想との間には対応関係があると指摘し,感覚を超越した直観による真理の把握の必要性を説く。 100ページに満たぬ小冊子ながら,格調高い詩的な文章で,超絶主義の中心思想を述べている。
自然という名称でよばれる「非我(ノット・ミー)」、つまり精神を取り巻く外界は、ただ目に見える姿だけで終わってはいない。「もっと高尚で霊的な存在」がかなたにあり、精神は自然の限りない奥行きに入り込み、ついには普遍的な内在神「大霊(オーバーソウル)」と出会う。しかも無限の広がりと深みをもつ自然は、全体として「人間精神の比喩(メタファー)」であり、精神は自然と一体になって、自ら限りないものに変容するとエマソンは説く。
ラルフ・ワルド・エマーソン
アメリカ
著者の概要
ジャンル
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"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学"
]
著者紹介
アメリカ合衆国の思想家、哲学者、作家、詩人、エッセイスト。無教会主義の先導者。
アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンに生まれる。18歳でハーバード大学を卒業し21歳までボストンで教鞭をとる。その後ハーバード神学校に入学し、伝道資格を取得し、牧師になる。自由信仰のため教会を追われ渡欧、ワーズワース、カーライルらと交わる。帰国後は個人主義を唱え、米文化の独自性を主張した。
エマーソンは次第に当時の宗教的社会的信念から離れ、1836年の評論『自然論』において、超越主義哲学(英語版)を世に打ち出した。続いて草分け的な仕事として1837年に'The American Scholar'と題した演説を行い、オリバー・ウェンデル・ホームズ・シニアは、アメリカの「知的独立宣言」であると評した。
彼の評論は後の思想家、著述家、詩人に大きな影響を与えた。エマーソンは、自身の中心教義を一言にすると、「個人の無限性」であると語った。[3]エマーソンはまた、共に超越主義者であるヘンリー・デイヴィッド・ソローの師であり友であることが有名である。