『 自由の条件 』
1960
西洋現代政治学
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学",
"政治学",
"西洋政治学",
"西洋現代政治学"
]
テーマ
自由について
自由主義とは
国家について
政治について
法について
概要
自由主義の古典的著作である。ハイエクは社会主義または福祉国家に対する批判を通じてアダム・スミスに由来する自由主義の政治理論を現代において確立することを目指していた。
目次
内容
本書は第1部、自由の価値、第2部、自由と法、そして第3部、福祉国家における自由という3部構成になっている。
自由の価値では自由主義の政治理論の基礎となる自由の哲学的な意味を明らかにし、自由と法では個々人の自由を保障するための制度の歴史を詳説する。そして最後の福祉国家における自由では、自由の原理を現代社会の諸問題に適用することで自由主義の具体的なあり方を論じる。
ハイエクは文明の発展には自由な創意工夫の活力が不可欠であり、これを支配と服従に基づく制度では実現できないと主張した。社会活動を調整する優れた諸制度とは、社会において自由に発展された諸制度である。つまり自由はさまざまな政府の活動を主導し、立法措置の領域を規制する原理であり、法の支配とは立法府が無制限に権力を使用してはならない規範を述べるものである。現代社会の社会・経済政策の目標を達成する方法には法の支配が必要である。
自由主義とは法の性質や役割を規定する教義であり、民主主義とは立法されるかを決める方法を定める教義である。したがって民主主義は良い法が何かを決定することはできない。つまり政府にとって民主主義は目標となる価値を達成するための優れた方法であるかもしれないが、目標そのものには決してなりえない。政府にとって目標とすべきは自由を保障するための自由主義の原理を遵守することに他ならない。
ハイエク
オーストリア
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学",
"政治学",
"西洋政治学",
"西洋現代政治学",
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋現代経済学",
"オーストリア学派"
]
著者紹介
オーストリア・ウィーン生まれの経済学者、哲学者。オーストリア学派の代表的学者の一人であり、経済学、政治哲学、法哲学、さらに心理学にまで渡る多岐な業績を残した。20世紀を代表する自由主義の思想家。ノーベル経済学賞の受賞者。
1944年 発表した「隷属への道」(The Road to Serfdom) は社会主義、共産主義、ファシズム、ナチズムが同根の集産主義であると批判し、当時のベストセラーとなる
経済学においては、ハイエクの初期の業績は景気循環に対する貨幣の影響を分析する貨幣的景気循環理論への貢献としてよく知られている。また、自身の貨幣的景気循環理論を深化させ、投資と資本蓄積のメカニズムについての分析も行った。