自由論(ミル)
『 自由論 』
ジョン・スチュアート・ミル
1859
西洋近代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

テーマ

自由とは何か

概要

自由とは個人の発展に必要不可欠なものという前提から議論を進める。ミルによれば、私たちの精神的、道徳的な機能・能力は筋肉のようなもので、使わなければ衰えてしまう。さもなければ人々は自らの心や心の中に持っている判断する力を行使できない。よって、本当に人間らしくあるためには、個人は彼、彼女自身が自由に考え、話せる状態(=自由)が必要なのである。

目次

第1章 - 序論 第2章 - 思想と討論の自由 第3章 - 幸福の一要素としての個性について 第4章 - 個人に対する社会の権威の限界について 第5章 - 応用

内容

個人にとって自由とは何か、また社会(国家)が個人に対して行使する権力の道徳的に正当な限界について述べている。 ここで論じられている自由とは国家の権力に対する諸個人の自由であり、これを妨げる権力が正当化される場合は他人に実害を与える場合だけに限定され、それ以外の個人的な行為については必ず保障される。なぜならば、ミルによれば文明が発展するためには個性と多様性、そして天才が保障されなければならない。 『自由論』の中でも取り分け有名なものに、彼の提案した「危害の原理」がある。「危害の原理」とは、人々は彼らの望む行為が他者に危害を加えない限りにおいて、好きなだけ従事できるように自由であるべきだという原理である。この思想の支持者はしばしば リバタリアンと呼ばれる。リバタリアンという言葉が定義するものは広いが、通常は危害を加えない行為は合法化されるべきだという考え(=「危害の原理」)を含む。
ジョン・スチュアート・ミル
ジョン・スチュアート・ミル
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学", "経済学", "西洋経済学", "西洋近代経済学", "古典派", "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学" ]

著者紹介

イギリスの哲学者。政治哲学者、経済思想家でもあり、政治哲学においては自由主義・リバタリアニズムのみならず社会民主主義の思潮にも多大な影響を与えた。晩年は自ら社会主義者を名乗っている。倫理学においてはベンサムの唱えた功利主義の擁護者として知られる他、論理学分野においてはバートランド・ラッセルら後続の分析哲学にも強い影響を与え、初期科学哲学の重要な哲学者として知られる。