
『 舞姫 』
1890
近代日本文学
名著の概要
ジャンル
[
"文学",
"近代日本文学",
"日本文学"
]
テーマ
恋
自我
家父長制
悲劇
概要
民友社(社長徳富蘇峰)の『国民之友』に発表されたフィクション。ドイツに留学した主人公の手記の形をとり、ドイツでの恋愛経験を綴る。高雅な文体と浪漫的な内容で、鷗外初期の代表作とされる。
目次
内容
時は19世紀末。ドイツ留学に行っていた主人公の太田豊太郎が、帰国途上のサイゴン停泊中、船内客室でドイツ滞在中のことを回想し、筆を起こす。
大学法学部を卒業後、某省に奉職した豊太郎は、5年前にドイツ留学を命じられ、ベルリンに赴いた。ある日、下宿に帰る途中の太田は、クロステルあたりの教会の前で涙に暮れる美少女エリスと出会い、心を奪われる。父の葬儀代を工面してやり、以後交際を続けるが、仲間の讒言によって豊太郎は免職される。
その後豊太郎はエリスと同棲し、生活費を工面するため、新聞社のドイツ駐在通信員という職を得た。エリスはやがて豊太郎の子を身篭る。豊太郎は友人である相沢謙吉の紹介で大臣のロシア訪問に随行し、信頼を得ることができた。復職のめども立ち、また相沢の忠告もあり、豊太郎は日本へ帰国することを約束する。
しかし、豊太郎の帰国を心配するエリスに、彼は真実を告げられず、その心労で人事不省に陥る。その間に、相沢から事態を知らされたエリスは、衝撃の余り発狂し、パラノイアと診断された。治癒の望みが無いと告げられたエリスに後ろ髪を引かれつつ、豊太郎は日本に帰国する。

森鴎外
日本
著者の概要
ジャンル
[
"文学",
"日本文学",
"近代日本文学"
]
著者紹介
大学卒業後、陸軍軍医になり、陸軍省派遣留学生としてドイツでも軍医として4年過ごした。帰国後、訳詩編「於母影」、小説「舞姫」、翻訳「即興詩人」を発表する。
その後、日清戦争出征や小倉転勤などにより一時期創作活動から遠ざかったものの、『スバル』創刊後に「ヰタ・セクスアリス」「雁」などを発表。乃木希典の殉死に影響されて「興津弥五右衛門の遺書」を発表後、「阿部一族」「高瀬舟」など歴史小説や史伝「澁江抽斎」なども執筆した。