『 芸術作品の根源 』
1935
美学
名著の概要
ジャンル
[
"芸術学",
"西洋芸術学",
"美学",
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学"
]
テーマ
美とは何か
概要
芸術作品は、日常生活に回収される道具と異なり、世界と大地との亀裂の狭間に真実を顕現させる。哲学の「別の原初」を指し示し、ハイデッガー後期思想への「転回」を予示した記念碑的作品。
目次
内容
従来の美学論に対して、 ところが、ハイデッガーによれば、芸術は、美を目指すものでもなければ、体験に基づいて考察されるべきなのでもなく、ましてや主観主義的に心の諸力の条件から捉えられるべきものでもないのである。
「芸術」は、「それ自身だけ別個に切り離されて成り立つと考えられるような美」に基づいて捉えられることもできなければ、「体験」に基づいて捉えられることもできないとハイデッガーは言う。美学のコペルニクス的転回をもたらした。
ゴッホの農夫の靴やギリシアの神殿など具体的な芸術作品の分析を通して、後期ハイデッガーを予示する新たな真理観、存在論が展開される記念碑的作品。
目次
1 物と作品
2 作品と真理
3 真理と芸術
ハイデッガー
ドイツ
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学",
"芸術学",
"西洋芸術学",
"美学"
]
著者紹介
ドイツの哲学者。
現象学のフッサールの他、ライプニッツ、カント、そしてヘーゲルなどのドイツ観念論やキェルケゴールやニーチェらの実存主義に強い影響を受け、アリストテレスやヘラクレイトスなどの古代ギリシア哲学の解釈などを通じて独自の存在論哲学を展開した。
1927年の主著『存在と時間』で存在論的解釈学により伝統的な形而上学の解体を試み、「存在の問い」を新しく打ち立てる事にその努力が向けられた。
20世紀大陸哲学の潮流における最も重要な哲学者の一人とされる。