蒼穹の昴
『 蒼穹の昴 』
浅田次郎
1996
日本歴史小説

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "東洋文学", "日本文学", "日本現代文学", "日本歴史小説" ]

テーマ

帝国主義について 中国について 清について

概要

清代の中国を舞台とした歴史小説。第115回(1996年(平成8年)7月)直木賞候補作。浅田自身「私はこの作品を書くために作家になった」と、帯でコメントした。なお浅田は続編として『珍妃の井戸』、『中原の虹』(ちゅうげんのにじ)、『マンチュリアン・リポート』『天子蒙塵』(てんしもうじん)を書いており、これらを含めて『蒼穹の昴シリーズ』とする(いずれも講談社刊)。

目次

内容

舞台は光緒12年(1886年(日本:明治19年))から光緒25年(1899年(日本:明治32年))までの清朝末期。貧家の子、李春雲(春児)は糞拾いによって生計を立てていたが、貧しい家族のために自ら浄身し、宦官となって西太后の下に出仕する。一方、春児の義兄で同郷の梁文秀(史了)は、光緒12年の科挙を首席(状元)で合格し、翰林院で九品官人法の官僚階級を上り始める。 清朝の内部では、政治の実権を握っている西太后を戴く后党と、西太后を引退させて皇帝(光緒帝)の親政を実現しようとする帝党とに分かれ、激しく対立していた。后党と帝党の対立は、祖先からの清朝の伝統を守ろうとする保守派と、衰えた清朝を制度改革によって立て直そうとする革新派(変法派)の対立でもあった。両者の対立は、やがて西太后と皇帝の関係にも、深い溝を生んでゆく。 春児は西太后の寵を得てその側近として仕え、一方、文秀は皇帝を支える変法派若手官僚の中心となる。敵味方に分かれてしまった2人は、滅びゆく清朝の中で懸命に生きていく。
浅田次郎
浅田次郎
日本

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "東洋文学", "日本文学", "日本現代文学", "日本歴史小説" ]

著者紹介

日本の小説家。血液型はA型。日本ペンクラブ元会長。2013年現在、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞選考委員。 中央大学杉並高等学校卒業。陸上自衛隊に入隊、除隊後はアパレル業界など様々な職につきながら投稿生活を続け、1991年、『とられてたまるか!』でデビュー。悪漢小説作品を経て、『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、『鉄道員』で直木賞を受賞。時代小説の他に『蒼穹の昴』、『中原の虹』などの清朝末期の歴史小説も含め、映画化、テレビ化された作品も多い。