虚無回廊
『 虚無回廊 』
小松左京
1986
日本現代戦後文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "東洋文学", "日本文学", "現代戦後文学", "SF" ]

テーマ

人間の存在の意味とは 宇宙 生命 知性 文明 進化 愛

概要

小松左京が最晩年に取り組んだ「虚無回廊」。彼がこの作品で問いかけようとしたのは「宇宙の中での人間存在の意味」という根源的な問題だった。

目次

内容

地球から5.8光年の距離に突如出現した長さ2光年、直径1.2光年という驚異的なスケールの筒状物体「SS」。その構築物の謎を解明すべく、科学者・遠藤はAIを超えた「人工実存(AE)」を開発。遠藤の分身たるAEが探査に向かう。そこで、同じくSSの謎に惹かれた数多くの異星生命体と遭遇。対立と協力を繰り返しながら謎に挑んでいく。人類の知性をはるかに超えた存在に出会ったとき人間に何ができるのか? 
小松左京
小松左京
日本

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "東洋文学", "日本文学", "日本現代文学", "日本戦後文学", "SF小説", "日本SF小説" ]

著者紹介

星新一・筒井康隆と共に「SF御三家」と呼ばれ、日本SF界を代表するSF作家でありながら戦後の日本を代表する小説家でもあった。 広範な領域での業績と旺盛な活動力を岡田斗司夫、唐沢俊一らは「荒俣宏と立花隆と宮崎駿を足して3で割らない」と評している。 批評家の東浩紀は「小松は、戦後日本を代表する娯楽作家だっただけではない。また日本SFの創設者だっただけでもない。小松はそれよりもなりよりも、まずは知識人であり教養人であり、その溢れる知性に文学というかたちを与えるとき、SFという表現形式を見出したひとりの思索者だったのだ」と評価した。 代表作には、時間と空間をまたにかけた壮大な長編『果しなき流れの果に』(1966年)が挙げられる。この作品は1997年の『SFマガジン』500号記念号で発表された、「日本SFオールタイムベスト」において長編部門1位を獲得した。さらに短編部門では同じく小松作品の「ゴルディアスの結び目」が1位になった。