蛙
『 蛙 』
アリストパネス
BC4世紀ごろ
ギリシャ戯曲

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "古代文学", "古代ギリシャ文学", "戯曲" ]

テーマ

喜劇 社会風刺

概要

古代ギリシャの喜劇作家であるアリストパネスによるギリシア喜劇である。見所はアイスキュロスとエウリピデスという、古代ギリシャ悲劇の二大詩人が互いの作品を批判し、攻撃するシーンで、大胆な両者作品の批評と見ることができる。

目次

内容

舞台はディオニューソスとその奴隷であるクサンティアースのつまらないやり取りから始まる。彼は世情を嘆き、優れた詩人が必要だから、死者の国からエウリピデスを呼ぶために冥界へ行ったことがあるヘラクレスに地獄の行き方を教わりに行った。 ヘラクレスに言われた道を進むと、地獄の王であるプルトーンの宮殿に着く。着くや否や襲われそうになるなど、様々なトラブルに見舞われながらも、なんとか中に入ることに。 プルトーンの宮殿では、ある技に一番長けたものは王のそばに席が作られ、より優れたものが来ればその席を譲らねばならないことになっていた。それまで詩人の席にはアイスキュロスがいたが、エウリピデスはやって来るなりその席を要求し、2人の間でどちらが優れているかを判断しなければならないことになった。 エウリピデスとアイスキュロスの激しい舌戦が始まる。競技は終了するが、ディオニューソスは判断をつけられない。そこで、改めて彼は冥府に降りて来た理由を告げ、両者に今の市政に対する意見を請う。これに対してエウリピデスは気が効いているが、中身はよく分からない返事をする。アイスキュロスの答えはペリクレスの方針そのものだった。そこでディオニューソスはアイスキュロスを連れ帰ることを決断する。 アイスキュロスは留守の間の彼の席をソフォクレスに託し、皆に送られて2人は退席する。
アリストパネス
アリストパネス
ギリシャ

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "古代文学", "古代ギリシャ文学", "戯曲" ]

著者紹介

古代アテナイの喜劇詩人、風刺詩人である。 代表作はソクラテスに仮託する形でソフィストを風刺した『雲』、デマゴーグのクレオンを痛烈に面罵した『騎士』、アイスキュロスとエウリピデスの詩曲を材に採り、パロディーなどを織り交ぜて優れた文芸批評に仕上げた『蛙』など。