論語徴
『 論語徴 』
荻生徂徠
1720(不明)
古文辞学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "東洋哲学", "日本哲学", "古文辞学", "古学", "日本近世哲学" ]

テーマ

世界について 人間について 人生について 学問について

概要

朱子学、仁斎学を論駁し、古代の言語、制度文物の研究を重視する「古文辞学」を標榜した。『論語』は先王の道を論じており、孔子の偉大さは、これを後世に伝えたことにあるとする。朱熹を古代の言語を全く知らないと批判し、多くの場合、仁斎をも批判する。

目次

内容

徂徠が、朱子学と古義学に反対して、秦・漢以前の古書に徴して、古語の真の意味を求め、独創的な解釈を施したもの。日本人の注釈として最も優れているといっても過言ではなく、劉宝楠、『論語正義』にも引用されている
荻生徂徠
荻生徂徠
日本

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "東洋哲学", "日本哲学", "古学", "古文辞学", "日本近世哲学" ]

著者紹介

江戸時代中期の儒学者・思想家・文献学者である。 朱子学、仁斎学を論駁し、古代の言語、制度文物の研究を重視する「古文辞学」を標榜した。 朱子学を「憶測にもとづく虚妄の説にすぎない」と喝破、朱子学に立脚した古典解釈を批判し、古代中国の古典を読み解く方法論としての古文辞学(蘐園学派)を確立した また、古文辞学によって解明した知識をもとに、中国古代の聖人が制作した先王の道(礼楽刑政)に従った制度を立て、政治を行うことが重要だとした。徂徠は農本思想を説き、武士や町人が帰農することで市場経済化に適応できず困窮(旅宿の徒)していた武士を救えると考えた。 徂徠は柳沢吉保や8代将軍・徳川吉宗への政治的助言者でもあった。吉宗に提出した政治改革論『政談』には、徂徠の政治思想が具体的に示されている。人口問題の記述や身分にとらわれない人材登用論は特に有名である。これは、日本思想史の流れのなかで政治と宗教道徳の分離を推し進める画期的な著作でもあり、こののち経世思想(経世論)が本格的に生まれてくる。