貧乏物語
『 貧乏物語 』
河上肇
1917
日本社会学

名著の概要

ジャンル

[ "社会学", "東洋社会学", "日本社会学", "日本近代社会学" ]

テーマ

貧困について 格差について

概要

資本主義による産業化の中で水面下で問題となり第一次世界大戦をきっかけに日本で社会問題化となった「貧困」の背景と問題点を取り上げたものである。

目次

内容

「働けど働けどわが暮らし楽にならず、じっと手を見る」という石川啄木が述べた表現を引用しワーキングプアの問題を取り上げるなど、「格差社会」を「貧乏(貧困)」側から取り上げなぜ貧困者が多く存在しているのか、いかにして貧乏をなくすかを、イギリスの貧困調査の見解など内外の所見や現状を踏まえて考えている。 その結論として「貧乏をなくすには金持ちが奢侈(しゃし)をやめることで、富裕層と貧乏人の格差をなくすこと」が貧乏退治の第一策であると述べた。 社会に大きな衝撃を与え、翌1917年に弘文堂書房より出版され、ベストセラーとなりこの後日本の思想界にも多大な影響を与えた。
河上肇
河上肇
日本

著者の概要

ジャンル

[ "社会学", "東洋社会学", "日本社会学", "日本近代社会学", "文学", "東洋文学", "日本近代文学" ]

著者紹介

日本の経済学者である。京都帝国大学でマルクス経済学の研究を行っていたが、教授の職を辞し、共産主義の実践活動に入る。日本共産党の党員となったため検挙され、獄中生活を送る 。カール・マルクス『資本論』の翻訳(第一巻の一部のみ翻訳)やコミンテルン32年テーゼの翻訳のほか、ベストセラー『貧乏物語』などの著作がある。