資本論
『 資本論 』
カール・マルクス
1867
マルクス派

名著の概要

ジャンル

[ "経済学", "西洋経済学", "西洋近代経済学", "マルクス派" ]

テーマ

資本について

概要

ドイツ古典哲学の集大成とされるヘーゲルの弁証法を批判的に継承したうえで、それまでの経済学の批判的再構成を通じて、資本主義的生産様式、剰余価値の生成過程、資本の運動諸法則を明らかにした。

目次

第1部 資本の生産過程 第1篇 商品と貨幣 第1章 商品 第2章 交換過程 第3章 貨幣または商品流通 第2篇 貨幣の資本への転化 第4章 貨幣の資本への転化 第3篇 絶対的剰余価値の生産 第5章 労働過程と価値増殖過程 第6章 不変資本と可変資本 第7章 剰余価値率 第8章 労働日 第9章 剰余価値の率と総量 第4篇 相対的剰余価値の生産 第10章 相対的剰余価値の概念 第11章 協業 第12章 分業とマニュファクチュア 第13章 機械と大工業 第5篇 絶対的および相対的剰余価値の生産 第14章 絶対的および相対的剰余価値 第15章 労働力の価格と剰余価値との大きさの変動 第16章 剰余価値率を表わす種々の定式 第6篇 労賃 第17章 労働力の価値または価格の労賃への転化 第18章 時間賃銀 第19章 出来高賃銀 第20章 労賃の国民的相違 第7篇 資本の蓄積過程 第21章 単純再生産 第22章 剰余価値の資本への転化 第23章 資本主義的蓄積の一般的法則 第24章 いわゆる本源的蓄積 第25章 近代的植民理論 第2部 資本の流通過程 第1篇 資本の諸変態とそれらの循環 第1章 貨幣資本の循環 第2章 生産資本の循環 第3章 商品資本の循環 第4章 循環過程の三つの図式 第5章 通流時間 第6章 流通費 第2篇 資本の回転 第7章 回転時間と回転数 第8章 固定資本と流動資本 第9章 前貸資本の総回転。回転循環 第10章 固定資本と流動資本とにかんする諸学説。重農主義者とアダム・スミス 第11章 固定資本と流動資本とにかんする諸学説。リカードウ 第12章 労働期間 第13章 生産時間 第14章 通流時間 第15章 資本前貸の大きさにおよぼす回転時間の影響 第16章 可変資本の回転 第17章 剰余価値の流通 第3篇 社会的総資本の再生産と流通 第18章 緒論 第19章 対象についての従来の諸叙述 第20章 単純再生産 第21章 蓄積と拡大再生産 第3部 資本主義的生産の総過程 第1篇 剰余価値の利潤への転化、および剰余価値率の利潤率への転化 第1章 費用価格と利潤 第2章 利潤率 第3章 剰余価値率にたいする利潤率の関係 第4章 回転の利潤率に及ぼす影響 第5章 不変資本の充用における節約 第6章 価格変動の影響 第7章 補遺 第2篇 利潤の平均利潤への転化 第8章 相異なる生産部門における資本の平等な組成とそれから生ずる利潤率の不等 第9章 一般的利潤率(平均利潤率)の形成と商品価値の生産価格への転化 第10章 競争による一般的利潤率の均等化。市場価格と市場価値。超過利潤 第11章 労働賃金の一般的諸変動が生産価格に及ぼす諸影響 第12章 補遺 第3篇 利潤率の傾向的低下の法則 第13章 この法則そのもの 第14章 反対に作用する諸原因 第15章 この法則の内的矛盾の展開 第4篇 商品資本及び貨幣資本の商品取引資本および貨幣取引資本への(商人資本への)転化 第16章 商品取引資本 第17章 商業利潤 第18章 商人資本の回転。諸価格 第19章 貨幣取引資本 第20章 商人資本にかんする歴史的考察 第21章 利子生み資本 第22章 利潤の分割。利子率。利子率の「自然」な率 第23章 利子と企業者利得 第24章 利子生み資本の形態における資本関係の外在化 第5篇 利子と企業者利得とへの利潤の分裂。利子生み資本 第25章 信用と架空資本 第26章 貨幣資本の蓄積、その利子率に及ぼす影響 第27章 資本主義的生産における信用の役割 第28章 流通手段と資本。トゥックおよびフラートンの見解 第29章 銀行資本の構成部分 第30章 貨幣資本と現実資本1 第31章 貨幣資本と現実資本2(続) 第32章 貨幣資本と現実資本3(結) 第33章 信用制度のもとにおける流通手段 第34章 通貨主義と1844年のイギリス銀行立法 第35章 貴金属と為替相場 第36章 資本主義以前 第6篇 超過利潤の地代への転化 第37章 緒論 第38章 差額地代。総論 第39章 差額地代の第一形態(差額地代1) 第40章 差額地代の第二形態(差額地代2) 第41章 差額地代2 その1、生産価格が不変な場合 第42章 差額地代2 その2、生産価格が低下する場合 第43章 差額地代2 その3、生産価格が上昇する場合。結論 第44章 最劣等耕地にも生ずる差額地代 第45章 絶対地代 第46章 建築地地代。鉱山地代。土地価格 第47章 資本主義的地代の創世記 第7篇 諸収入とその源泉 第48章 三位一体の定式 第49章 生産過程の分析のために 第50章 競争の外観 第51章 分配諸関係と生産諸関係 第52章 諸階級

内容

第1部は資本の生産過程の研究である。 商品と貨幣、貨幣の資本への転化、剰余価値の生産、剰余価値生産の二つの方法 絶対的剰余価値生産と相対的剰余価値生産、資本の蓄積について。 第2部は資本の流通過程の研究、すなわち、資本制的生産様式の再生産に関する研究である。 うち第1篇と第2篇は資本の循環や回転などを扱っており、個別資本の流通過程での運動を考察した。 うち第3篇は社会全体における資本の流通過程の研究である。「再生産論」と呼ばれる理論分野で、社会的総資本の観点から、資本制的生産様式を維持・持続するために、資本の生産・流通・再投下が、どのような制約・条件の下でおこなわれているかを考察したものである。 第3部は、資本主義的生産の総過程の研究である。資本主義経済の一般的・普遍的な諸現象である費用価格、利潤、平均利潤率、利潤率の傾向的低下の法則、利子、地代などを扱い、資本主義経済の全体像の再構成を試みた。
マルクス
カール・マルクス
ドイツ

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学", "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学", "経済学", "西洋経済学", "マルクス派" ]

著者紹介

ドイツ・プロイセン王国出身の哲学者、思想家、経済学者、革命家。社会主義および労働運動に強い影響を与えた。1845年にプロイセン国籍を離脱しており、以降は無国籍者であった。1849年(31歳)の渡英以降はイギリスを拠点として活動した。 フリードリヒ・エンゲルスの協力を得ながら、包括的な世界観および革命思想として科学的社会主義(マルクス主義)を打ちたて、資本主義の高度な発展により社会主義・共産主義社会が到来する必然性を説いた。ライフワークとしていた資本主義社会の研究は『資本論』に結実し、その理論に依拠した経済学体系はマルクス経済学と呼ばれ、20世紀以降の国際政治や思想に多大な影響を与えた。