近思録
『 近思録 』
朱熹
1176
その他中国哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "東洋哲学", "その他中国哲学", "中国哲学" ]

テーマ

世界について 人間について 人生について

概要

朱子学の入門書。日本では江戸時代後期に各地の儒学塾で講義された。豊後日田の広瀬淡窓の咸宜園では、『伝習録』とともに学業の最後の段階に位置づけられていた。

目次

内容

朱熹のまえがき   1章、道体 宇宙や世界の捉え方 2章、為学大要 学び方 3章、格物窮理 物事の道理を極めること 4章、存養 心の根本を養い育てること 5章、改過遷善克己復礼 過ちを改め、善をめざし、人欲を去り、天理に則ること 6章、斉家之道 家庭の有り様 7章、出所進退辞受之義 正しい出処進退の有り様 8章、治国平天下之道 国を治め、天下を太平にする方法 9章、制度 社会制度の整備 10章、君子処事之方 君子としての対応の仕方 11章、教学之道 教育のあり方 12章、改過及人心疵病 過ちを見つけ、心の悪い点を改めること 13章、異端之学 異端の教学とは何か 14章、聖賢気象 先人の聖人や賢人 呂祖謙のあとがき
朱熹
朱熹
中国

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "東洋哲学", "その他中国哲学", "政治学", "東洋政治学", "中国政治学", "中国哲学" ]

著者紹介

中国南宋の儒学者。儒教の精神・本質を明らかにして体系化を図った儒教の中興者であり、「新儒教」の朱子学の創始者である。 「五経」への階梯として、孔子に始まり、孟子へと続く道が伝えられているとする「四書」を重視した。 その一つである『論語』では、語義や文意にとどまる従来の注釈には満足せず、北宋の程顥・程頤の兄弟と、その後学を中心とし、自己の解釈を加え、それまでとは一線を画す新たな注釈を作成した。 朱熹はそれまでばらばらに学説や書物が出され矛盾を含んでいた儒教を、程伊川による性即理説(性(人間の持って生まれた本性)がすなわち理であるとする)、仏教思想の論理体系性、道教の無極及び禅宗の座禅への批判とそれと異なる静座(静坐)という行法を持ち込み、道徳を含んだ壮大な思想にまとめた。そこでは自己と社会、自己と宇宙は、“理”という普遍的原理を通して結ばれ、理への回復を通して社会秩序は保たれるとした。 なお朱熹の言う“理”とは、「理とは形而上のもの、気は形而下のものであって、まったく別の二物であるが、たがいに単独で存在することができず、両者は“不離不雑”の関係である」とする。また、「気が運動性をもち、理はその規範・法則であり、気の運動に秩序を与える」とする。この理を究明することを「窮理」とよんだ。 朱熹の学風は「できるだけ多くの知識を仕入れ、取捨選択して体系化する」というものであり、極めて理論的であったため、後に「非実践的」「非独創的」と批判された。しかし儒教を初めて体系化した功績は大きく、タイム誌の「2000年の偉人」では数少ない東洋の偉人の一人として評価されている。