『 遊びと人間 』
1958
西洋現代社会学
名著の概要
ジャンル
[
"社会学",
"西洋社会学",
"西洋現代社会学",
"歴史学",
"西洋歴史学",
"西洋現代歴史学",
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学",
"西洋近現代歴史学"
]
テーマ
遊びについて
概要
カイヨワは「文化は遊びの中で始まった」という認識から話を展開していく。 これは「飢えをしのぐ、外敵から身を守るといった生きるために必要な最低限の営みの上に築かれたものが『文化』だとするなら、それらはすべて『遊び』と呼べる行為を出発点とするもの」であった。
目次
内容
カイヨワは、人類の遊びを「意志⇔脱意志」「ルール⇔脱ルール」という2つの軸でとらえた。そしてこれを直交させることで、4つの類型を導出した。
意志×ルール:「アゴン」(競争)
参加者がルールの下で明確な意志を持って参加する類型。
例えばチェスなどのボードゲームの他、競技スポーツ一般がここに属する。
脱意志×ルール:「アレア」(偶然)
ルールはあるものの、参加者の意志で進行するわけではない遊びの類型。
例えばギャンブル。「勝ちたい」という意志は皆共通だが、結果は意志とは関係がない。一方で、ルールは妥協の余地なく厳密に適用される。
意志×脱ルール:「ミミクリー」(模擬)
ルールの側が否定される累計。
例えばおままごとなどの子供のごっこ遊び、演劇。これらは、積極的な意志のもとで遊ばれるものの勝敗は付かない。
脱意志×脱ルール:「イリンクス」(めまい)
意志・ルールともに否定される類型。
ブランコからジェットコースターまで、大きなカテゴリーになっている。争の仕組みと形態・その理論を国家の発達との関連において歴史的に考察し、かつては政治の下婢であった戦争が今や巨大な熱核兵器をもって政治の上に厳然と君臨している現実を説き明かす。
人間精神の奥底にひそむ戦争礼賛の信仰を追求し、「戦争への転げ落ちる坂道」の危機とこれら脅威の根源的諸力からの解放の道を探り、真の人間的回復は何かを提示する。
そこには、「なぜ戦争が国民全体を巻き込むような存在になったのか」「戦争と国家と産業はどのようにしてつながるようになったのか」といった多岐にわたる考察がなされている。
カイヨワ
フランス
著者の概要
ジャンル
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"歴史学",
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著者紹介
フランスの文芸批評家、社会学者、哲学者。
神話、戦争、遊び、夢など、多岐にわたる研究・著作をした。
著書としてはヨハン・ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』に影響されて執筆した『遊びと人間』が有名で、カイヨワはその中で「遊び」を〈アゴーン(競争:文字通り徒競走など)〉、〈アレア(偶然:ルーレットなど)〉、〈ミミクリー(模倣:演劇やRPGなど)〉、〈イリンクス(眩暈:絶叫マシーンなど)〉の4種類に分類して考察している。没後「ロジェ・カイヨワ賞」が発足した。