野生の思考
『 野生の思考 』
レヴィ=ストロース
1962
西洋現代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋現代哲学", "社会学" ]

テーマ

構造主義 構造について 記号について

概要

人類学の研究にとどまらず構造主義思想の勃興を促した構造主義の祖。自然環境において具体的な事物を一定の記号として扱う思考、すなわち野生の思考を本書の主題に据えて、未開社会にも文明社会に匹敵するような精緻で合理的な思考が存在することを論証した代表作。

目次

内容

野生の思考とは、ありあわせの素材を用いて入り用の物を作る場合(ブリコラージュ)に例えられ、器用人の思考様式と特徴づけられる。 それは、眼前の事象を考える際に、その事象と別の事象との間にある関係に注目し、それと類似する関係性を持つ別の事象群を連想しつつ、それらを再構成することである。 そして、それらの事象に異なる意味を与え、新しい「構造」を生み出せる。 それは、理論と仮説を通じて考える科学的思考と基本的に同質なものである。 両者の相違については、科学的思考が用いるものが「概念」であるのに対して、野生の思考が用いるものは「記号」である。
レヴィ=ストロース
レヴィ=ストロース
フランス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "社会学", "西洋現代哲学" ]

著者紹介

フランスの社会人類学者、民族学者、思想家。 専門分野である人類学、神話学における評価もさることながら、一般的な意味における構造主義の祖とされる。 彼の影響を受けた人類学以外の一連の研究者たち、ジャック・ラカン、ミシェル・フーコー、ロラン・バルト、ルイ・アルチュセールらとともに、1960年代から1980年代にかけて、現代思想としての構造主義を担った中心人物のひとり。