『 風姿花伝 』
1400
芸術論
名著の概要
ジャンル
[
"芸術学",
"東洋芸術学",
"芸術論"
]
テーマ
芸術について
美について
幽玄について
能について
演技論
演出論
概要
世阿弥が記した能の理論書。世阿弥の残した21種の伝書のうち最初の作品。観客に感動を与える力を「花」として表現している。最古の能楽論の書であり、日本最古の演劇論であり、日本の芸術論の古典。
目次
内容
世阿弥が記した能の理論書。世阿弥の残した21種の伝書のうち最初の作品。
亡父観阿弥の教えを基に、能の修行法・心得・演技論・演出論・歴史・能の美学など世阿弥自身が会得した芸道の視点からの解釈を加えた著述になっている。
「幽玄」「物真似」「花」といった芸の神髄を語る表現はここにその典拠がある。
観客に感動を与える力を「花」として表現している。少年は美しい声と姿をもつが、それは「時分の花」に過ぎない。能の奥義である「まことの花」は心の工夫公案から生まれると説く。「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」として『風姿花伝』の内容は長らく秘伝とされてきた。
世阿弥
日本
著者の概要
ジャンル
[
"芸術学",
"東洋芸術学",
"芸術論"
]
著者紹介
日本の室町時代初期の大和申楽結崎座の申楽師。
父の観阿弥(觀阿彌陀佛)とともに申楽(猿楽とも。現在の能また歌舞伎の祖形ともいう)を大成し、多くの書を残す。観阿弥、世阿弥の能は観世流として現代に受け継がれている。
当時の貴族・武家社会には、幽玄を尊ぶ気風があった。世阿弥は観客である彼らの好みに合わせ、言葉、所作、歌舞、物語に幽玄美を漂わせる能の形式「夢幻能」を大成させていったと考えられる。
義満の死後、将軍が足利義持の代になっても、世阿弥はさらに申楽を深化させていった。『風姿花伝』(1400年ごろ成立か)『至花道』が著されたのもこのころである。